午前9時、逆光で鈍色に彩られた水面に極小の黒い斑点が見え始める。スカムラインに添ってトライコのスピナーが一つ、またひとつといった感じで流されていくが、鱒達のライズを誘発する程の量には至らない。たまに水面に波紋が広がっても釣り人の相手をしてくれるほど気前の良いやつはいないようだ。2〜3尾の鱒が移動を繰り返しながらサーフェスラインに貼り付いたスピナーを吸い込むように捕食している。
   トライコの下に見える半球状のものは僕   の人さし指。フックサイズにして#22   くらい。3本の長い尾が特徴的ですね。   写真でわかるように両側に比べてセンタ   ーが突出しており、長さも体長の2倍以   上あります。またウイングの幅はアブド   メンの半ばにまで達しており、ボディ全   体と比較してもかなり大きな翅がついて   いる印象をうけた。岸際の2mくらい上   空を上下しながら飛翔しているところを   ランディングネットの一振りで捕獲。
    こちらは日本のコカゲロウと同じ、複眼の大きな♂のベイティス。昨年もそうだったが、天候が急変した後に大量にハッチする。この日、氷雨のあといつもの時間より1時間も遅いハッチのスタート、そして期待通り午後3時から2度目のピークを迎え、夕方にも羽化量は増え続けた。わずか2〜3分の間にみるみる流下が増え、それまで静寂を保っていた水面が俄に騒がしくなる。時間の経過とともにダンからDDへ、特にウイングを水面にトラップされた個体が捕食の対象となってゆく。
    日中、僅かながら羽化が見られたフラブ。#16〜14。このくらいのサイズならフックを結ぶのも苦労はしないのだが、、。PMDやベイティス、トライコなどの小さなカゲロウがひっきりなしに流下する中、この大きさのダンが捕食されると確かによく目立つ。だからと言ってティペットの先にあるフライが働いてくれるとは限らない。シナモンアントみたいに数が少なくても確実に魚の興味をひくというのは、やはり特殊な例なのだろう。
   同じく早朝に羽化していたキャリベイテ   ィス。とにかくあっという間に羽化が終   わってしまうので、わざわざこのパター   ンで釣りをする気になれない。PMD、ス   ードクローエンが5分間に100匹流下   するとしてこいつは3〜5くらいか、、   今回、写真は撮れなかったがマホガニー   も同じくらいの頻度だった。しかし、そ   の少ないハッチでスイッチが入る鱒が居   るから話がややこしくなる。


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